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☆童話 『薔薇とカナヘビ』

薔薇とカナヘビ (4) 作  元川 芹香

「夏の音も聞こえてきます。ミーンミーンって騒がしく鳴いているのは誰ですか?」 「それはミンミン蝉君ですよ!薔薇さんはきっと初めて出会う、それはグロテスクなお方です」

すると、またまた孫が登場。「ジージ、早く来て。薔薇咲いたよ。あっジョセフィーヌだ。早く、早く」 祖父さん、孫に急かされ、玄関でコケた。

「あーあ!ジョセフィーヌまたどっかいっちゃった」祖父さん、やっと立ち上がって薔薇を観賞。「ほう、無事咲いたか。ちょっと小さいけど綺麗な発色だ。さて喉渇いただろう今水やるからな」

祖父さんは、朝の庭に水を撒く。「薔薇さん、なんだか元気ないですね」 花を咲かせて3日目。うなだれた薔薇の元で、カナヘビが心配する。

「夏の陽ざしは、私には堪えます。なんだかとても疲れました」 薔薇の花びらの先が変色。「薔薇さん、頑張って!ほら、まだたくさん夏のお友達、紹介しますから。コオロギ君や鈴虫君も…」

「ありがとう!カナヘビさん、でもそろそろお別れね。また来年、やっぱり春に会いましょう」 薔薇は葉っぱをふり、さようなら。 <つづく>


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