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☆ゆきむら殺人事件

ゆきむら殺人事件 第四章 探偵山崎事件を探る (4) 作 元川 芹香

「でも、いくら当日のアリバイがないからといって、佐々木さんを犯人だと断定するのはあまりにもおかしいと思わない?。防犯カメラだって設置してあるんですし」佐々木の擁護に徹した。

「今日まで拘束するには、警察もそれなりのネタがあったんでしょう。そこじゃないですか?例えば、佐々木さんがカメラのモニターに写っていたのをビデオで確認したとか……」

「すいません、ちょっとお代わりしてきます」 アイスコーヒーとコーラのグラスを持って再び、席に戻ってきた。「良かったら、どうぞ」 コーヒーとストローを 山崎の前に置いた。

さり気ない坂口の優しさが、冷えたコーヒーの苦さとともに山崎のカラダに凍み込んだ。

「ありがとう!話に夢中でなってしまって、喉がひっついちゃった。防犯カメラって警備会社にも写ってるんでしょ?」

「はい。お店の閉店後に防犯設定をしていただくと自動的に会社のモニターへ画像が送信される仕組みになっているのです。『ゆきむら』さんは、確かカメラ4台の設置でしたよね」

「ええ、そうです。入口とフロアー、それにパンドリー付近と店長室ですね」 店長室にもパソコンの他にカメラ用のモニターがあって、各設置場所の画像が常時に写し出されている。

中里店長は出勤すると先ずアンパンを食べ、閉店後バイト学生達が無断飲食していないか画像のチェックから、いち日が始まる。

「確か事件の前日、中里さんは公欠のはずだって言っていましたよね」 「そう。休みでもよく偵察がてら、店に来ることがあったわ」

その日も、バイト学生が聞いていたという。 <つづく>

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