☆ゆきむら殺人事件
ゆきむら殺人事件 第六章 終結 (2) 作 元川 芹香
「そうぉ、なんだかよく分からないけど、中に入って」 明らかにそわそわし始めた。「いえ、ここでいいです!」 田中の様子が急転したのが見て取れる。
「これからお話しすることが、もし間違っていたら、この私をブン殴ってもらってかまいません。事件前日の6時ころお宅の上のお兄ちゃん、コンビニで杵屋のおぐらアンパン買いませんでしたか?」
突如、田中の目が虚ろに泳ぎだしたのを坂口は見逃さなかった。 「えっ、どうだったかなぁ?覚えてないわ」 田中はしどろもどろに、白を切る素振りを見せた。
「お宅、二人のお子さんとお祖父ちゃん、お祖母ちゃん、それにあなたご夫婦で6人家族ですね。確かあなた、ヘルパーの資格持っていましたわね!」 「ええ、あるわよ!」
「どんな重い人でも、コツさえつかめば簡単に抱え上げられると、田中さんは前に言っていませんでしたか?」 もう、これ以上は話したくなかった。
「山崎さん。あんた、い、いったい、何が言いたいの?」 田中の顔面が、みるみるうちに赤くなってゆく…。
「佐々木さんからすべて聞いたんです。密室殺人だって、あなた言ってたけど、そうじゃなかったのです。それを知っているのはあなた自身じゃないですか?」 山崎は問詰めた。
田中の膝がガクガクと震え出し、しまいにはよろけて玄関先に崩れ伏した。「田中さん、しっかりして下さい。山崎さんはあなたのことを思って、自首をすすめにきたのですよ」
坂口は田中の側に走り寄り、体を抱き抱えようと試みたが、その豊満さにあっさり断念した。間もなく、嗚咽とともに田中の口から犯行の一部始終が語られた。 <つづく>
「そうぉ、なんだかよく分からないけど、中に入って」 明らかにそわそわし始めた。「いえ、ここでいいです!」 田中の様子が急転したのが見て取れる。
「これからお話しすることが、もし間違っていたら、この私をブン殴ってもらってかまいません。事件前日の6時ころお宅の上のお兄ちゃん、コンビニで杵屋のおぐらアンパン買いませんでしたか?」
突如、田中の目が虚ろに泳ぎだしたのを坂口は見逃さなかった。 「えっ、どうだったかなぁ?覚えてないわ」 田中はしどろもどろに、白を切る素振りを見せた。
「お宅、二人のお子さんとお祖父ちゃん、お祖母ちゃん、それにあなたご夫婦で6人家族ですね。確かあなた、ヘルパーの資格持っていましたわね!」 「ええ、あるわよ!」
「どんな重い人でも、コツさえつかめば簡単に抱え上げられると、田中さんは前に言っていませんでしたか?」 もう、これ以上は話したくなかった。
「山崎さん。あんた、い、いったい、何が言いたいの?」 田中の顔面が、みるみるうちに赤くなってゆく…。
「佐々木さんからすべて聞いたんです。密室殺人だって、あなた言ってたけど、そうじゃなかったのです。それを知っているのはあなた自身じゃないですか?」 山崎は問詰めた。
田中の膝がガクガクと震え出し、しまいにはよろけて玄関先に崩れ伏した。「田中さん、しっかりして下さい。山崎さんはあなたのことを思って、自首をすすめにきたのですよ」
坂口は田中の側に走り寄り、体を抱き抱えようと試みたが、その豊満さにあっさり断念した。間もなく、嗚咽とともに田中の口から犯行の一部始終が語られた。 <つづく>
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2014-07-08 09:00
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