☆ゆきむら殺人事件
ゆきむら殺人事件 第五章 謎の裏側 (6) 作 元川 芹香
「いえ、かまいません。あの日1時半に仕事が終わり、作業終了と入口の施錠完了の報告をするため店長室に行きました。
店長は、背中をこちらに向けたまま 『ああ、お疲れさま!』 と振り替えられず答えられました。白石君と裏口から出て、しばらく彼と車の中で話した後、2時に一度、駐車場を出ました」
「途中、メニュー改訂の書類を置き忘れたことに気付き戻ると、まだ店長がいらしたんです。店長室のドアは開いたままでした。デスクに伏せていた店長に、何度か声をかけてみました」
返事がなかったので、グッスリ寝込んでいたのか、それとも前日の一件もあって無視されたかと思い、レターケースから書類を取り出し、用心の為に鍵をかけたそうだ。
「その直後トダ警備へ電話し 『店長は泊まるようだ』 だ、と告げ裏口から出て施錠したんです」 と、佐々木は包み隠さず、全てを話してくれた。
「密室殺人じゃなかったのね。佐々木さんが店長室に戻ったときは、もう既に店長死んでいたんだ」 山崎は一番の謎が、謎でもなんでもなかったことに、やや落胆した。
「ごめんなさい。警察にも口止めどされているのに話してくれて。くれぐれもお体を大切に」 「いいえ。山崎さんにはホントのことを言いたかっんです。考えてみれば店長も、気の毒な方ですよね」
短い間でしたがお世話になりましたと、いとまの言葉を残して佐々木は、『ゆきむら』 を去っていった。<つづく>
「いえ、かまいません。あの日1時半に仕事が終わり、作業終了と入口の施錠完了の報告をするため店長室に行きました。
店長は、背中をこちらに向けたまま 『ああ、お疲れさま!』 と振り替えられず答えられました。白石君と裏口から出て、しばらく彼と車の中で話した後、2時に一度、駐車場を出ました」
「途中、メニュー改訂の書類を置き忘れたことに気付き戻ると、まだ店長がいらしたんです。店長室のドアは開いたままでした。デスクに伏せていた店長に、何度か声をかけてみました」
返事がなかったので、グッスリ寝込んでいたのか、それとも前日の一件もあって無視されたかと思い、レターケースから書類を取り出し、用心の為に鍵をかけたそうだ。
「その直後トダ警備へ電話し 『店長は泊まるようだ』 だ、と告げ裏口から出て施錠したんです」 と、佐々木は包み隠さず、全てを話してくれた。
「密室殺人じゃなかったのね。佐々木さんが店長室に戻ったときは、もう既に店長死んでいたんだ」 山崎は一番の謎が、謎でもなんでもなかったことに、やや落胆した。
「ごめんなさい。警察にも口止めどされているのに話してくれて。くれぐれもお体を大切に」 「いいえ。山崎さんにはホントのことを言いたかっんです。考えてみれば店長も、気の毒な方ですよね」
短い間でしたがお世話になりましたと、いとまの言葉を残して佐々木は、『ゆきむら』 を去っていった。<つづく>
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