☆ゆきむら殺人事件
ゆきむら殺人事件 第五章 謎の裏側 (3) 作 元川 芹香
「店長の口の中のおぐらアンパンは三つだったんでしょ。もしそいつが犯人だとしたら、6個も押し込むつもりで買ったのかしら?」
山崎の疑問は止めどなく続く。「それに近くのコンビニから買うなんて、計画的な犯行とは言えないわね」 「自分で食べたんじゃないですかねぇ!」 坂口が一息つかせた。
「もう、坂口ちゃんたら。あっ、会社11時からでなかったの。大丈夫?」 「おっとっと、やばい!あと、ひとつだけ…」 どうして、佐々木さんが容疑者になったのか分かったという。
「僕が前の日に、会社から 『ゆきむら』 へ2時にかけた電話のときは中里さんが応答しました。次の30分後は中里さんでなく、別の人でした」
後に出た人は『店長は会社に泊まる』といっていたという。「はたして佐々木さんだったかどうかは定かでありませんが、応対は優しそうな感じのいい声でしたね」
「佐々木さんだと思う。残念だけど」 「だとすれば、2時から2時半が犯行時間になる。その後佐々木さんは店にいたことになりませんか?なのに警察は、白だと断定したってことは……」
「坂口ちゃん、なんだか絡んだ糸がほどけそう!ほら、仕事に遅れちゃうわ。じゃあ、続きは、また明日。連絡するわね。ご苦労さん!行ってらっしゃい」
坂口が遅刻しないか心配しながら、携帯を切った。話つかれたのだろう、両腕を広げ大の字にベッドに倒れこんだ。天井のただ一点を見つめる。
頭の中では事件にまつわる様々な情報が、グチャグチャに絡み合っている。『密室殺人・防犯カメラ・佐々木さんの白・アンパン6個』 それらを一つずつ整理していく…。
いつしか目蓋が閉じ深い眠りにおちていた。 <つづく>
「店長の口の中のおぐらアンパンは三つだったんでしょ。もしそいつが犯人だとしたら、6個も押し込むつもりで買ったのかしら?」
山崎の疑問は止めどなく続く。「それに近くのコンビニから買うなんて、計画的な犯行とは言えないわね」 「自分で食べたんじゃないですかねぇ!」 坂口が一息つかせた。
「もう、坂口ちゃんたら。あっ、会社11時からでなかったの。大丈夫?」 「おっとっと、やばい!あと、ひとつだけ…」 どうして、佐々木さんが容疑者になったのか分かったという。
「僕が前の日に、会社から 『ゆきむら』 へ2時にかけた電話のときは中里さんが応答しました。次の30分後は中里さんでなく、別の人でした」
後に出た人は『店長は会社に泊まる』といっていたという。「はたして佐々木さんだったかどうかは定かでありませんが、応対は優しそうな感じのいい声でしたね」
「佐々木さんだと思う。残念だけど」 「だとすれば、2時から2時半が犯行時間になる。その後佐々木さんは店にいたことになりませんか?なのに警察は、白だと断定したってことは……」
「坂口ちゃん、なんだか絡んだ糸がほどけそう!ほら、仕事に遅れちゃうわ。じゃあ、続きは、また明日。連絡するわね。ご苦労さん!行ってらっしゃい」
坂口が遅刻しないか心配しながら、携帯を切った。話つかれたのだろう、両腕を広げ大の字にベッドに倒れこんだ。天井のただ一点を見つめる。
頭の中では事件にまつわる様々な情報が、グチャグチャに絡み合っている。『密室殺人・防犯カメラ・佐々木さんの白・アンパン6個』 それらを一つずつ整理していく…。
いつしか目蓋が閉じ深い眠りにおちていた。 <つづく>
タグ:ゆきむら殺人事件
コメント 0