☆母の世界

母の世界 （9）　作　元川 芹香

〈未確認飛行物体〉

映画　『未知との遭遇』　が大のお気に入りだった。今でも新聞のテレビ欄にUFOの文字があれば絶対見逃さない。

「まゆ唾」 な話、例えば矢○純一の話など頭を上下にしながら食い入る様に聞く。だが天敵である ○槻教授の反論にたっては 「あいつはバカだ」 と糞味噌にけなす。

「死ぬ前に一度でいいからUFOに乗って、宇宙人に会ってみたいわ！」 なんて、まじに思う彼女はまさに三条市の天然記念物である。

〈大〇隆法〉

前にも触れたが、母の大きな特性は一度狙った獲物についてはとことん納得するまで探求する。だが、一旦疑問を持つと何事もなかったかのようにスッパリとやめてしまう。

「あなた 『太陽の法』 ってすばらしいから絶対読みなさい」 と言ったその半年後には 「あんなのはそこら中の宗教の良いとこ取りにしかすぎないわ」 と終息にした。

おかしいなと思った。母はそこら中の宗教の本を根こそぎ読んだ結論だったのだ。 <次へ>

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