☆いもうと

いもうと　（終回）　作 　元川　芹香

自分には生きる存在価値がないと妹は言う。何故自分はこの世に生まれたのだろうとか。狭い病室で妹は誰かを恨む事で、辛うじて生きているのかも知れない。

私は思う。同じ血をうけながら、どうして妹だけこうなってしまったのか？その答えを安易に 「与えられた運命」 と切り捨ててしまったら妹はあまりにも救われない。

この現実からはい上がれる力は、誰でもない妹本人しか持ち得ていないのだ。葛篭折りの様に幾重にも折り重なった辛い過去は、過去のものとして、これからは自らの力で強く羽ばたいて欲しい想いである。

これだけは分かっていて貰いたいのだ。この世でたった一人の私の妹だから、あなたに心から笑える日が一日も早く来ることを。ただ、それだけ願う。母もそして父も！ ―完―
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次回からは、2014年12月30日から1月2日にかけて連載した、童話 「マリーちゃんのシッポ」 の姉妹編 『薔薇とカナヘビ』 掲載します。

登場する人物じぃーじと、孫娘は今も健在。カナヘビのお話も本当にあったことです。お楽しみに…。

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